定額減税について
皆様こんにちは。
2024年も4ヶ月が経ちました、5月に入り多くの会社は決算作業に追われているのではないでしょうか。
税制改正の記事でも少しだけ触れましたが今回は「定額減税」について簡単に説明させていただきます。
6月から早速始まる制度になりますので、制度の概要を押さえ、事前の準備を進めていきましょう。
・定額減税とは
では初めに、定額減税とは何でしょうか。
⇒定額減税とは、簡単に言えば「物価上昇による国民の負担軽減を目的とした所得税と住民税の減税措置」のことです。
・減税の対象者
減税になるのは良いとして、誰が対象となるのでしょうか?
基本的には下記を満たす全員が対象となるので、正社員、アルバイト、役員であっても対象となり得ます。
(所得税と住民税では要件が異なります、①は共通要件、②は所得税のみの要件、③は住民税のみの要件)
①日本に住所があるか、1年以上日本に居住している
②R6年の給与が2,000万円以下
(事業・退職・譲渡等の給与以外の収入がある場合は、所得が1,805万円以下)
③R5年の給与が2,000万円以下
(事業・退職・譲渡等の給与以外の収入がある場合は、所得が1,805万円以下)
※譲渡や退職による場合は異なりますが、ほとんどの方が対象になるといえます
・減税される金額
対象となる方はいくらの減税を受けられるのでしょうか。
所得税:1人3万円(例:本人、配偶者、子2人の場合 12万円)
住民税:1人1万円(例:本人、配偶者、子2人の場合 4万円)
※ 配偶者 の要件 ⇒ 同一生計かつ所得が48万円以下
※ 扶養親族の要件 ⇒ 所得が48万円以下、16歳未満の子供も含む
⇒所得税と住民税を合わせると1人当たり4万円が減税されることとなります。(上記例だと合計16万円)
・具体的な減税方法
対象者が分かったところで、会社や個人事業者などの雇用者側はどのような手続きが必要になるのでしょうか。
【所得税の減税方法】
1.給与所得者
R6年6月1日以降最初の支給日から減税額(上記の例だと12万円)に達するまで毎月控除
⇒この計算は雇用者側が行うこととなります
2.事業者等
予定納税がある場合は、最初の予定納税から控除されます(本人分のみ)
※家族分も予定納税から引きたい場合は、減額申請をする必要があります
3.1.2.で引ききれない分等は年末調整や確定申告で精算
【住民税】
1.特別徴収の場合(給与所得者)
R6年6月分は0円、7月以降は(年税額-減税額(上記の例だと3万円))÷11を分割して徴収
⇒まだ実物は確認してませんが、各市区町村が計算したものを送付してくれると思います。
2.普通徴収の場合(事業所得者等や退職等した方)
1期分から順次控除されます
3.1.2.で引ききれない分等は給付措置となる見込み(予定)
・さいごに…<給与支払者の注意点>
従業員を抱えていない個人事業者、サラリーマンの方は「税金が減るんだ」といった認識でも構いませんが、雇用者側はそうはいきません。
定額減税がスタートする前に必ず下記を確認しておきましょう。
・各従業員の配偶者、扶養家族の把握
年末調整における配偶者、扶養とは要件が異なるため、「定額減税のための申告書」等で事前に確認
・給与明細の書き方 … 控除した減税額を記載
・源泉徴収票の書き方 … 控除済額、控除しきれなかった金額を記載
<参考:定額減税特設サイト(国税庁)>
以上、ややこしい制度では有りますが概要さえ分かれば難しい話ではありません。
特に、給与計算ソフトを利用している会社は実際の計算はソフトがやってくれる場合もあります。事前の扶養情報さえ入れておけば後はいつも通り給与計算をするだけで済むこともあります。
いつものことながら、分からないことがあれば必ず専門家に聞きましょう。(最寄りの顧問税理士や最寄りの税務署など)
では、また。
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